修繕積立金の問題点

前回、毎月支払う経費として「修繕積立金」があることをご説明しました。

金額を確認して、「これなら払っていける」と安心するのはまだ早いです。

なぜなら、「将来修繕費用がいくらかかるかは確定していない」ため、積立金額も変わる可能性があるからです。

 

通常マンションでは、30年程度の期間にわたる「長期修繕計画」を作成し、それに基づいて積立金が計算されています。しかし多くの場合、それは「将来の値上げ」の可能性を多分に残しています。

たとえば単純に今後30年間でかかると想定される修繕資金の費用の総額を算出し、それを全体の戸数(面積)で案分して毎月分を算出していれば(均等積立方式)、とりあえず30年間は安心できます。実際の修繕金額が予定とずれても、その時負担しなければならない金額もそれほど大きなものにはならないでしょう。

 

しかし、中には「5年ごとに見直し」などとなっているものもあります。その場合5年ごとに値上げしていかないと、30年間の修繕資金はカバーできないことになります。5年ごとに増額の計画ができていれば、まだマシですが、中には「その時決める」というケースも多々あります。その場合は、「いくら増えるのかわからない」ことになりますし、最悪大規模修繕が必要になった時、「積立金が不足しているため一時金を集める」となることも考えられます。(当然、一時金は何万円ではなく何十万円です)

 

私どもが所有しているマンションでも、当初の6,000円が16年目から13.000円になった例や、大幅に見直された結果、築7年目で毎月4,500円が13,400円になった例もあります。

なぜこうなるかと言えば、これには発売時の販売会社の思惑によるもので、少しでも買主さんのイメージを良くしようと、修繕積立金を低く抑えているからにほかなりません。それはそれでどうなんだという気はしますが、現実問題として大半のマンションがそうである以上、買う立場としては、あらかじめそれを見越して資金計画にゆとりをもって臨むことしかありません。

 

とはいえ、維持管理は所有者の務め。

あとで修繕資金が不足して高額な一時金の請求を受けたり、大幅な値上げに頭を抱えたりすることのないようにするためには、そういう問題意識をもって、管理組合総会などの動きにも関心をもっておきたいものです。

個人だけでどうなるものでもありませんし、管理組合で話し合うべきことですが、こんなことも頭に入れておかないといけません。

 

ちなみに私どもは、所有しているマンションについて、適宜管理組合に対し修繕積立計画の見直しを働きかけています。見直しによって積立額が増えると会社としての投資採算は悪くなりますが、それよりも他の所有者の方とともに建物の維持管理に努めたいと考えているゆえの行動なのです。

 

(H)