個人的な自意識からの脱皮(創業秘話3)

前回までは、タケイチバリュアブル不動産(当時、タケイチ建設)がスタートしたとき、私の胸にあったものの正体が自意識であった、というお話でした。

 

ところで、私は冗談半分で「社長業はいいよ!やりたい仕事だけ選んでいられるから。」と口にすることがあります。この意味は決して日常業務でやりたくないことを社内の別の人に押し付けることではなく、会社全体としての目的やそのための仕事のやり方、流儀を選ぶことができるという意味です。

 

あ~それなのに、私は浅はかにも自分の私的な自我=自意識と漠然としたビジネスモデルのイメージのみで経営に携わっていました。まあ、たとえそうであっても私的な自意識を満たすことだって、それが儲かれば何でもいいということではなくて、きちんと社会に貢献することに繋がれば決して悪いことではありません。しかし、上場という方法で広く社会から調達した資金であれば、その器である会社が私的な存在でなくなるばかりでなくビジネスモデルについても社会的な使命感を持つことが必然であって、むしろ、それを目的とするべきではないでしょうか?

 

正直に告白すると、弊社はこの使命感が欠落したまま彷徨していたのです。この度、このことに気付かされ、「マンションが持つ潜在的価値を最大限に引き出すことにより社会に貢献する」という目標を掲げ、それを実践する決意を新社名に込めています。会社の目的が明示されることにより、日々の業務にあたっての判断基準がはっきりするばかりでなく株式を上場することが目的ではなく手段になった。このことは事業計画を作成するうえで大きな転換でした。この新たな気付きに至るまで親身にご指導いただいたN氏に深く感謝いたします。

 

それでは、この彷徨える時代の失敗談を次回から何話に分けて記していきたいと思います。

(つづく)