建設業者としての思い(創業秘話5)

元の社名が「タケイチ建設」であったことからもわかるように、当初、私は建設業主体で不動産業がそれを補完する事業形態を考えていました。建設業の経験が皆無だった私も覚悟を決めて一から勉強するつもりでいたので、当初1年間は会社のユニフォームである作業着を身にまとい現場に行くだけでなく、事務仕事や接客の仕事の日も、やはりノーネクタイでユニフォ-ムを着こんで出社していました。

 

ここで建設業の多重構造について簡単に触れておきます。ひとつの現場を元請業者が施主から受注すると、その現場の仕事は躯体工事、設備工事、電気工事、仕上げ工事等多くの職種に分かれていて、これら各業種の複合体として成立しています。そして、それぞれの職種ごとに一次下請けとして専門業者が請負い、以下二次下請け…と最終的に現場で作業に携わる職人に至るまで何段階か経ていることが一般的です。これをもって多重構造とご理解いただいたうえで、この構造の頂点である元請業者に求められる能力は以下のとおりです。

 

1.    他業種の複合体で、しかも多重構造である現場を管理する総合的な技術力および協力業者の組織力

2.    施主からの工事代金受領時期よりも下請業者への支払時期が早い場合でも立替払いできる資金力

3.    上記を駆使した実績を活かした営業力

 

ここで重要なことは、1番の技術力を持った人材がいれば機械や工場などの設備投資をしなくても仕事ができるということです。建設業に対する当初の目論見は、成田空港に出迎えてくれたTの技術力と父の人脈と個人的資金力によって事業化できると考えたのです。

(つづく)