米国にて(その2)

前回のアメリカ経済の話題から縮尺を変じてテキサス経済に絞り込んでみます。数年前に新しいエネルギー資源として「シェールガス」が脚光を浴びていましたが、その採掘地域のひとつにテキサスの名が見られます。ところが近年の原油安で採掘コストが嵩むシェールガスは採算に合わず事業化がとん挫もしくは中止となっているようです。さらに話題をダラス‐フォートワースに絞ってみると近々トヨタ自動車米国本社が移転してくるそうです。そのあたりの詳しい事情は知りませんが、成田からの直行便が増発されたのは単なる偶然ではないでしょう。ちなみに、私が搭乗したのがその増発便でした。

 

ダラスは地理的特性からでしょうか、従来は国内便の乗継基地のひとつだったと思います。しかしながら日本から観光のために訪れる街ではないようで、往きの便はビジネスマンばかり、帰りは季節柄、駐在員の家族が休暇で一時帰国する姿がぽつんぽつんと見受けられましたが、やはりビジネスマンのいでたちが多かったと思います。そんな中で私ども夫婦は気楽な姿に映ったのでしょう、何度か渡航目的を尋ねられ、喜びを隠し切れずに応えていました。観光資源に乏しいダラスに、しかも年末年始を避けての渡航には理由があって、現地の大学院を卒業する我が子の姿を一目見たくて、卒業式に合わせてスケジュールを組んだのです。

 

息子の卒業式を翌日に控えたインディアンサマーの午後、美しく紅葉した樹木に囲まれた大学構内をぶらぶらと散策しながら、思わず労いの言葉が口から出ました。式典はいかにもアメリカといった陽気な中にも厳かな空気に満たされた得も言われぬ経験をすることができました。

 

次回は大統領暗殺とカウボーイの街フォートワースの話題で締めくくりたいと思います。

 

 

つづく

サザンメソジスト大学の瀟洒な建物
サザンメソジスト大学の瀟洒な建物