
「保証人にだけはなるな」というのは、よく聞くアドバイスです。
実際、保証人になったがために、自分が借りてもいない借金の返済を背負わされ大変な目に合ったという話は数多く耳にします。
「ならないにこしたことはない」のは事実でしょう。
でもどうしても頼まれて断れなかったらどうするべきでしょう?
例えば賃貸業を営む我々は、入居審査において必ず保証人さんをつけていただきます。
どなたにもお願いできない場合は、保証会社を利用していただくこともあります。
だいたい、申込人の方のご両親のどちらか、あるいは息子さん、娘さんなどで収入のある方にお願いするケースが大半です。
そうした家族からのお願いであれば、断れないものだと思います。
ではそうした場合、泣く泣く引き受けなければならないのでしょうか?
親族であれば、「腹をくくって引き受ける」しかないのかもしれませんが、友人などであったらどうでしょう?
そもそもですが、保証人になること自体が問題ではありません。
「内容を確認もせず、またその意味も深く考えずに引き受ける」ことが問題なのです。
自分の支払える範囲内で、いざとなったら代わりに払っても差し支えない金額であれば、悲劇は起こりません。
例えば、私どもの例でいえば、ひと月の家賃はファミリータイプで12~15万円、ワンルームで5~7万円前後が多いです。
延滞して代わりに払わなければならなくなったとして、その場合の負担額は、3か月分くらいとすればファミリータイプで36~45万円、ワンルームで15~21万円程度となります。
「万が一」の時の負担がイメージできると思います。
万が一の時負担しなければならない金額を具体的な金額で考えることによって、それがどの程度問題になるかがわかるでしょう。
それでも3か月分くらいならいざ知らず、6か月分、1年分となると一大事かもしれません。
そういう場合は、事前に「延滞したら早めに連絡をくれ」と要求しておくのも一つの手です。
遠慮する必要はありませんし、逆に「しっかりした保証人さんだ」と大家さんの印象も良くなります。
いたずらに長期間の延滞を放置するのは、貸し手である大家さんの落ち度でもあると言えます。
保証を求められた時には交渉の余地を残すことになるでしょうし、早目に連絡をもらえれば、大切な家族の「異変」を早く察知できるというメリットもあります。
お互いにメリットのあることです。
遠慮することなく要求すべきことです。
保証人の印を押す前に、是非とも知っておいていただきたいと思います。
(H)
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