一括借上げはリスクゼロか?

 

 

 

 

 

 

 

不動産投資においては、「空室リスク」が何よりも最大のリスクと言えます。特に購入資金を銀行から借りる場合は、毎月々の返済が発生します。家賃がゼロとなる空室は何としても避けたいところです。そんなオーナーさんにとって、「30年一括借上げ」というシステムは大きな恩恵があります。是非その仕組みを研究しようと、某社のシステムを調べてみました。

 

今回は、新築アパートを建設したオーナー様が契約された大手不動産会社の「一括借上げシステム」の契約書を拝見し、内容を確認いたしました。ちなみに「一括借上げシステム」とは、オーナー様から不動産会社がアパートを一棟丸ごと借り入れ、それを自ら賃借人を募集して家賃を稼ぎ、オーナー様に払う家賃との差額で儲けようというものです。オーナー様にとっては。家賃が相場の89割と少なくなりますが、その代り空室リスクは不動産会社が負いますので、メリットがあります。

 

その契約期間は、「最長30年」となっていますが、よく読むと「賃料」は2年ごとに見直しとなっていました。ということは、家賃が下がった場合、不動産会社はオーナー様に払う家賃を引き下げることで「逆ザヤ」となるリスクを回避できることになります。オーナー様にしてみれば、30年間途切れることなく家賃収入が得られるという計算は、途中で見直さないといけなくなる可能性を残しています。銀行からお金を借りてアパートを建てる計画の人は、資金計画に気を付けないといけません。

 

また、建物も年月が経って老朽化してくれば、借り手も少なくなり、家賃も下げざるを得なくなります。適度な更新工事は、不動産の価値を維持するためにも避けられません。通常その費用はオーナー様の負担ですし、実施時期もオーナー様の意向で決められます。しかし、「一括借上げシステム」では、契約で「リフレッシュ工事」という名目の更新工事が定期的に義務付けられています。新築から10年目とそれ以後5年ごとに指定された工事を行う義務が課されています。断れば契約解除になります。

 

その他細かいところでは、リフレッシュ工事の代金は不動産会社指定の方法で積立が義務付けられており、また賃借人の退去時には翌月の家賃は支払われないことになっています。「すべて行き届いていて安心」という見方もできますし、不動産の賃貸人として必要な義務は結局のところすべて負わなければいけないという見方もできます。一つだけ確かに言えることは、「一括借上げだから何もしなくてよい、何の心配もないというわけではない」ということでしょう。30年間リスクゼロというけではなく、結局のところ「多少面倒がなくて済む」というレベルでしょう。

 

 

結局のところ、「リスクのない不動産投資はない」という事です。それを念頭にお考えいただく必要があるということになります・・・

(H)