業界用語

いつまでたっても「うだつ」が上がらない。と言う言葉は、社会的または金銭的に、なかなか成功を修められない人に対する評価として使われます。この「うだつ」というのは建物の一部分の名称で店舗などが立ち並んでいるエリアで火災が起きたとき類焼を防ぐために隣家との境に防御壁のような出っ張りを造ることがありました。これが「うだつ」です。

私は38歳のとき建築業界に身を置き、「うだつ」に限らず、初めて耳にする珍しい言葉や表現に出会いました。そのうち興味深いものをいくつか取り上げてみます。

 

・犬走(いぬばしり)…建物の外側に外壁に沿って造られた土間のことです。来客や不審者にいち早く気付いた飼い犬がそこを走り抜けて吠えているイメージが浮かびます。

 

・ねこ…手押しの一輪車のことです。なぜこう呼ぶのかはわかりません。

 

・でんでん…建物の外壁に沿って雨ドイが縦に設置されているのを見かけますが、このトイを壁面に固定するための器具のことで、たぶん「でんでんむし」に似ているのでこう呼ぶのでしょう。

 

・やっとこ…杭打ちなどで思ったより深く入ってしまい杭の長さが足らないために上から打ち継ぐことを言います。

 

・バカ棒…建物の基礎を水平に保つために一定の深さに地面を掘り下げるときなど、レベルという精密な測定機器を使います。このとき基準となる深さを記録するため、何でもない棒切れに線を引いただけのものを使って各所の深さを一定にします。この棒をバカ棒と呼びます。

 

他にも、斫り、ケラバ、がりょう、不陸整正、クレッセント、フーチング、本壁、真壁、切妻、片流れなど初めて知る言葉が沢山ありました。

 

そういえば、不動産業界にも面白い表現があります。例えば仲介に関する契約形態と仲介手数料の配分などでは、片手、両手、あんこ、仕切りなどの表現を使います。

また、㎡を「へいほうめ―とる」と読まず「へいべい」と読む人が圧倒的に多いと思います。

 

 

こういう言葉を駆使するだけでプロフェッショナルというわけにはいきませんが、語源を考えると、なかなか興味深いものがあります。