宅建

不動産業務に携わる人には必須資格である「宅地建物取引士」。今年も10月にその試験が行われ、1130日に合格発表がありました。今年の合格率は15.4%。50点満点中35点が合格ラインだったようです。受験者は毎年20万人前後、合格率は15%前後のようです。この宅建試験は、必要な資格という割には疑問に思うところが多々ある資格です。

 

そもそもですが、「業務に必要な知識」という位置づけであれば、知識があれば合格となりそうなものですが、合格の判定は「上位〇%」というラインがあります。つまり同じ知識があっても、年度によっては合格することもあれば不合格になることになります。50点満点中35点取っても、その時の相対的な得点関係で(「上位〇%」に入っているか否かで)、合否がわかれるのです。

 

さらに民法系の知識は、事務とはかけ離れています。例えば、実務では不動産売買において、お金を払うことなく所有権を移転させることはあり得ませんが、「理論的には」そういうことも可能なわけで、民法はそうしたケースを問うたりするのです。「実務を知っている人ほど間違えやすい」と言われる所以です。

 

また、宅地建物取引士の重要な業務とされている「重要事項説明」についても、実際にできるようになるには、実務をこなさないと覚えられません。テキストだけで勉強しても、試験問題はできても重要事項の説明はできるようになりません。さらに、賃貸においては、「自分で貸す」場合は宅建業法の適用はありませんが、仲介は適用となります。ここも「苦し紛れの対応」が伺えます。

 

たとえば弊社の物件を借りていただく場合、エイブルさんなどの仲介業者さんを通じて借りる場合、賃借人の方は「重要事項説明」を仲介業者さんから受けられます。しかし、弊社から直接借りる場合、弊社には重要事項説明の義務が(法律上)ありません。同じ物件なのに、どこを通じて借りるかで重要事項説明が受けられるか否かが変わるのです。

 

これは、「個人大家さん」を意識した配慮だと思いますが、「消費者保護」を徹底するなら、何らかの形で重要事項説明を受けられるようにするべきでしょう。ちなみに弊社では、義務はないものの、お客様の利益を考え自社物件の賃貸でも重要事項説明を実施しています。

そんな資格に意味があるかどうかと問われると、何とも言えないというのが正直なところです。

 

とは言え、不動産の売買となれば、大きなリスクが伴う話ですし、知識習得の意味でも資格は必要でしょう。ただし、単なる「落とすため」に「引っ掛け問題」を多発する現行試験については、疑問に思います。もっと実務に近く、消費者保護の観点を強く取り入れ、真に意味のある資格となるようにするべきであると思います。

弊社は、真の「消費者保護」を意識して、これからも活動して参りたいと思います。

 

 

 

(H)