忘年会

先週から今週にかけて世間は忘年会シーズンの真只中で、スケジュールを調整しながら毎晩お忙しい思いをされている方が多いかもしれません。くれぐれも、お体に気を付けてください。

 

ところで忘年会という呼び方は、いつごろから、どういう意味で使われるようになったのでしょうか。室町時代の皇室の何方かが書き残した記録に、年末に開いた連歌の会が大変盛り上がって「としわするるがごとし」とあるのがもっとも古いとありました。これ以上、詳しくはわかりませんが、そこには何やら無礼講という意味合いがあるようです。そうなると、年を忘れるとはこの一年の義理や普段の立場、序列などを忘れて皆平等に飲んで騒ぐということかな?というニュアンスを感じます。

 

やはり、一年を振返ったとき、多くの人は不平不満が沸き起こってくるのでしょうか。それを酒の力を借りてでも忘れたふりをして一気に洗い流してしまう。これも世渡りのための知恵だとすれば、洗い流された不平不満は下水に放置するのではなく、しかるべき立場の者が拾い上げて、来るべき新年がより良くなるようにと大切に心に留め置いてこそ価値がでてくるかもしれません。

 

 

しかし、現実には、しかるべき立場の者も一緒になって自分の不満を洗い流してすっきりして帰ってゆくことも多いと思います。12月の酒場は誰も拾ってくれない思いが鬱積しているかもしれません。でも心配いりません。新年は厳かな雰囲気の中、除夜の鐘とともに粛々と開けてゆきます。もう、その時点では鬱積した感情は片づけられてリセットされた清らかなお正月が用意されています。室町時代から、こうして日本の歳は暮れていったのでしょうか。そう思うと伝統行事にはそれぞれ役割と意味があると納得する今日この頃です。