時限爆弾

今、「静かな時限爆弾」として恐れられている社会問題をご存知でしょうか?それは、アスベストによる健康被害です。アスベストとは天然鉱物の一種で別名「石綿」ともいいます。この物質は保温性、耐火性、絶縁性などにおいて非常に優れた性質があり、かつては建築材料として広く、一般に使われていました。ところが、アスベストの粉塵を吸い込むと数十年後に肺がんなどの深刻な病気を引き起こす危険性があるらしいのです。数十年前に吸い込んだことが原因で、しかも、それから何の症状も現れず、忘れたころになって発症することから時限爆弾と呼ばれようになったのでしょう。

 

この問題の恐ろしいのは、静かなところです。つまり、数十年間、発症しないので、発病の因果関係も含めて注目されず、その間、利便性のみに光が当たって広く普及してしまったことです。昭和30年代当初から使用され始め、昭和58年頃になって、ようやく、その危険性が認識されて使用が制限されました。その間、日本のいたるところで多くの人々がアスベストと身近に接することとなりました。この恐ろしい事実が、今後、患者の増加として顕著になってくることが懸念されています。

 

問題はそれだけに留まりません。アスベストの多くは建築資材として使用されましたが、その当時の家屋が、そのままアスベストを残して現存しています。さすがに、表面に露出していては危険だということで、遮蔽物に覆いかぶされているでしょうが、今後、そういった建物の老朽化に伴って解体作業が行われる際、その作業員や近隣に対して細心の注意を払う必要があります。

 

 

我々、不動産業界においても建物を取引するときの重要事項説明にアスベストに関する調査結果の項目があります。この問題が大きな社会問題となるのはこれからだろうと思っています。