個性的な商品は有利か?不利か?

 私が19年前に横浜市泉区の一戸建を買ったときのことです。あるお客様から、「建設会社の社長の家だから、自分で気に入るように様々な工夫を凝らして個性的な注文住宅を建てるのかと思ったら、何と建売住宅を買ったのですか!」と驚かれたことがあります。

 

 一般論で言えば注文住宅は建売住宅よりも高額となります。また、いろいろと工夫を凝らせば、さらに費用は嵩みます。私が建売住宅を選んだ理由もこの点にありますが、ただそれだけではありません。自分のライフスタイルに合わせて、あまりにも個性的にしてしまうと、次に転売するときに、選んでいただける可能性が低くなると考えたからです。それよりも、立地、地型、道路付けなどにおいて不動産価値を損ねる要因がないものを選びました。

 

 洋服やお料理を好みに合わせてオーダーメイドする場合、オーダーした本人が消費してしまい、使い回すということは考えられません。提供する側の個性な大きな武器になるでしょう。しかし、不動産の場合は中古住宅としての市場が出来上がっていて転売することが可能です。そのときに高く売却できるに越したことはありません。

 

 だからと言って使い勝手の悪い家に我慢して住むのも合理的とはいえません。幸い、私が選んだ家は、完全ではありませんが、間取りなど、自分たちが思い描いた生活にほぼ一致しました。細かく指摘すれば、ダイニングとキッチンを仕切る壁に不要なカウンターがあって通り抜けの邪魔になる、また、リビングの壁紙のデザインが好みでないなど、許容できることでした。それどころか、自分たちでは思いつかない工夫がされている部分も多くあって快適な生活ができたと思っています。そして、転売のときは思惑通り、短期間で近隣相場に比べて申し分のない価格で買い手が見つかりました。

 

 これは、ひとえに私が購入した住宅を企画した段階で、建売住宅であっても、いや、だからこそ多くの家庭で使いやすいようにと工夫が凝らされていたお蔭だろうとも思います。

 

弊社が中古マンションをリフォームして販売するときも、まだ見ぬ購入者の声に耳を澄ましてみることが肝要かと思います。そうすることによって、注文住宅に負けない満足を提供できるものと考えています。