東京に降る雪

 私は東京で育ち、人生の大部分を東京で暮らしてきました。その経験から感じることに気候変動があります。具体的に言うと、以前に比べて東京の夏は暑くなり、冬は暖かくなってきたようです。いわゆる地球温暖化でしょうか?暖かくなったとはいっても、やはり冬になるとワンシーズンで数日(34日ほど)は雪が降ります。そして、何年かに一度は積もるほどの大雪になり、普段は雪に慣れていない東京は交通機関をはじめ様々な混乱を惹き起こすことになります。ちょうど昨日はそんな1日でした。

 

 子供の頃の雪の思い出もいくつかありますが、そのうちの一つに、中学の卒業式を終えて、高校の入学式を数日後に控えた時期ですから3月末くらいだったろうと思います。何故か一番寒い時期よりも春を目の前にした、この季節に大雪になることが多いようです。仲の良かった友達と二人で自転車に乗って静岡県の日本平まで往復する計画を敢行しました。その友人とは別々の高校に進学し、その後も別の道を歩み、公私ともに全く接点がなかったにもかかわらず、いまだに友情で結ばれていて年に数回はビールグラスを傾けます。

 

 この旅は23日で野宿することになっていて、今、思えば15歳の少年ふたりの無謀な計画でした。一日目、二日目と順調に経過して、いよいよ最終日、疲れた体で箱根の山道を下っているとチラホラと雪が舞ってきました。これが小田原につく頃には本降りとなり、視界を遮るとともに不安を掻き立ててきます。そして、横浜まで戻ってきたとき、何が何でも計画通り第二京浜国道に固執する私と、目の前に進路が見える第一京浜国道を主張する友人と意見が対立してしまいました。それまでも、その後も、このようにムキになったことはないのに珍しいことです。私としては体力的に疲弊しているところで道に迷っては大変だという思いがあって、いつになく強く自己主張しました。一方、友人は私より余裕があり、

合理的に近道を選んだということを、後になって思い出話で聞きました。結局、疲れ切った私の状況を考慮してくれて意見を受け入れてくれた友人、そのときの少し大人びた態度に敬意を抱きました。

 

 

 そんなこともあって、互いにタイプの異なる友人と私ですが、59歳になる現在まで良いお付き合いをさせてもらっています。東京の雪は降ってもすぐに溶けてしまいますが友情は溶けることなく続いています。