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春の珍事

 今年もプロ野球が開幕して数週間が経過しました。長いシーズンからみれば、まだ序盤戦ですが、既にそれぞれのチームの好不調がはっきりしてきて、予想外に好い成績で首位を走るチームもあれば、その分、負けが増えたところもあります。これを「春の珍事」と呼んでは一部のファンから怒られるでしょうか?チームの成績もさることながら、各選手においても期待以上に活躍する選手もいれば、その逆もあってシーズン終了後に契約更改する際は様々なドラマが展開されることでしょう。

 

 ところで、プロ野球の選手の報酬は原則として翌年に対する期待によって決まると思います。勿論、その期待が前年までの実績を参考に決まることは当然ですが、その実績に対する報酬というよりは、これから為される仕事に対する前払いということになります。稀に出来高払いに対するボーナスが約束されることも聞きますが、たぶん例外でしょう。私は、プロ野球に対する知識がそれほど豊富ではありませんので、これらのことは事実と異なるかもしれませんが、そこは大目にみてもらい、ここで考えたいのは一般企業における社員の報酬は期待に対する前払いなのか、実績に対する後払いなのか、ということです。

 

 結論から言うと、曖昧な部分を残しながらも、実績に対する後払いの性格が強いような気がします。そこで常に問題となるのが、実績に対する評価が妥当であるかどうか、ということです。弊社としては社員の業務実績に正当な評価をするよう精一杯の努力をしています。それでも完全な制度というのは難しくて、常に工夫を凝らす必要性を感じています。

 

 会社の繁栄と社員一人一人の幸福は社内を活性化することで実現します。そのために、社員が業務に対する「やりがい」と「達成感」を感じて一層の成果を上げるにはどうしたらよいかを考え続けていかなければなりません。正当な評価をすることは当然のことですが、それは最低限、必要なことであって、それに加えて何か工夫してみたいと悩んでいます。プロ野球選手は、前払いで報酬を受取っていても、期待どおりに活躍できなかったからといって、報酬を返還したりはしません。その代り、翌年の契約更改はかなわず失職することになります。これを、そのまま一般企業の給与制度に適用しても不都合が生じます。また、職務内容や立場、責任の異なる社員に対して公平性を保つ制度を考えるのは悩ましい限りです。

 

 

 私の悩みは「私の独り言」で愚痴として吐き出すだけですが、サッカー日本代表監督の解任のニュースに触れて人材を活かすことの難しさという共通点を見てしまったような気がします。ワールドカップ本戦まで、あと僅かな時期となって、これも、ある種の「春の珍事」でしょうか。