目線の違い

 弊社の仕事は不動産業です。全部で90部屋余りを保有して、それらを貸したり、改修して売ったりしています。それでは弊社自身が日々の業務を行っている、この事務所はどうだろうと思いますか?ここは別のオーナーさんがお持ちのビルで、弊社はそれを借りて営業しています。つまり、自分でいくつもの不動産を所有しながら、それらは自身では使わず、第三者に貸して家賃を稼いでいます。そして、自分たちが仕事に使っている事務所は借りています。それゆえ、事務所の契約あるいは更新のときは普段の業務と逆の立場となります。

 

 さて、最近、家族が新しく住むための不動産が必要になり、本人たちと一緒に探し回りました。目当ての物件を担当する不動産業者のところに足をはこんで、現地を案内してもらいました。そのときは、自分が不動産業者であることを隠す必要もありませんが、わざわざ話しても特に意味がないので黙っていました。

 

 普段は貸すにしても、売るにしても、住まいを提供することが日常であるのに対して、逆に客として提供される経験は、なかなか新鮮なものです。それと、普段、お付き合いのある不動産業者ではなく、初めての不動産業者と客として接してみると、その応対も様々で興味深いものがありました。

 

 たとえば、こちらで希望した物件だけを忠実に紹介する不動産業者もいれば、A物件が駄目ならB物件、それでも駄目ならC物件というように、次々と紹介してくれる不動産業者もいました。前者は確実な仕事ぶりという点で信頼感を持てますが、掘り出し物を期待するならば後者のほうが望ましいかもしれません。しかし、あまりに度が過ぎたり、こちらのニーズを外した物件ばかり紹介してくるようだと、鬱陶しく不快に感じてしまいます。

 

 

 こういった普段と目線が異なる経験も大切にしてゆきたいと思います。現在、「ナイスアーバン大森」というマンションを、ほぼ全面改修して生まれ変わったお部屋として販売することを企画しています。我々はプロフェッショナルであるという誇りは大切に、新しい住み方を提案するのと同時に、常にサービスを提供される側からの目線を忘れずに小さなことでも痒いところに手が届くサービスを心掛けています。