住民票と戸籍の住所

ここ数年、我が家では子供たちの結婚や、それに伴う引越が続き、その度に住民登録や戸籍の変更などの手続が必要でした。この手続き、勿論、子供たち本人が行うことですが、初めてのことなので、親である私に、いろいろと訊いてきます。たとえば、婚姻届を提出するにあたって、戸籍謄本が必要だが、我が家はこれまで何度か引っ越していて、現在の本籍地はどこなのかわからない?などです。私は、結婚して独立しても両親の住む実家を本籍地としていましたが、最近になって戸籍の住所も住民登録している住所と同じ場所に移動しました。そのときも、住民票の住所(いわゆる現住所)と戸籍に記されている住所(本籍地)が同じ場所なのに末尾の表記が異なっていることについて気になりましたが、今回、このことについて改めて調べてみることにしました。

 

結論から言うと、住民票の住所はそこに建っている建物の表記を使いますが、戸籍はその場所の土地の表記を使います。そして、土地とその上に建っている建物とは、それぞれ別の不動産ですから必ずしも表記が一致するとは限りません。というより、異なっているほうが一般的です。こうして、住民票と戸籍の住所が、たとえ同じ場所だとしても表記が異なることになるわけです。住民票は実際に住居として使用している建物で特定するほうが妥当ですが、戸籍は長い年月にわたっての記録になるので、特定した建物のほうが先に消失してしまう恐れがあります。それゆえ、その場所の土地をもって表記するほうが妥当でしょう。土地も、文筆や合筆、区画整理など、何等かの原因で表記が変更になることはあっても、土地の謄本と照らし合わせれば何年経っても特定できます。

 

そもそも、本籍地と現住所が同じである必要はありません。何故かという疑問に答えるために、まず、住民票と戸籍の役割の違いを考えてみましょう。住民票は現存している個人を特定するためのものです。現在、どこに住んでいて、どこに地方税を納めて、どこの行政サービスを受けるかが重要であるのに対して、戸籍は両親をはじめとする家族のつながりを記録したものですから登録した住所に実際に住んでいなくても支障はありません。私は4年前に両親を亡くしたとき、相続手続きのために両親の戸籍を調べたことがあります。そのときも、実際に住んだことのない山形から戸籍謄本を取り寄せる必要がありました。私の知る限り、両親もそのようなところに住んだことはなく、それは父方の祖父の実家があった場所にほかなりませんでした。父は人生の最初の段階で住んだことのない山形に本籍があったのです。私が、暫くの間、実家を本籍地にしていたのと同じです。

 

 

いろいろな手続きに必要とする住民票と戸籍謄本。どっちも似ていて混乱することが多かったのですが、こうして整理して考えると「なるほど」気分になります。