思い出のハワイに現実を重ねて-2

 さて、前回に続いてハワイ旅行のお話しです。ホノルルからハワイ島コナ行の飛行機に搭乗し、約40分で目的地に着陸です。上昇したと思ったら、すぐに下降に転じ、その間、水平飛行はほとんどありません。これを称して「レインボーフライト」というなどと20年前に耳にした記憶がありますが、今回の旅行では誰も、そんな表現はしませんでした。この例に限らず、20年前の知識があまり役に立たないことが、一度や二度ではなく、たびたびありました。

 

ハワイ島には標高4200メートルのマウナケアがそびえ立っています。この名前の由来について「大きな山」という意味だと記憶していましたが、後にこの山の登頂ツァーに参加したときのガイドの説明によると万年雪に覆われた「白い山」という意味だそうです。これも私の記憶違いなのか、かつて解説してくれた人がいい加減だったのか。この白い山は20年前にも観光ツァーではなく、頂上付近にある日本の天文台「スバル」の建設に携わった駐在員の友人に案内されて、家族で登った経験があります。登山と言っても、ふもとから頂上まで全て車での移動であり、自分の足で登るわけではありません。ただし、標高が高いので空気が薄く、高山病にならぬよう身体を慣らしながら、途中で休憩を入れて登っていきます。20年前に4輪駆動のレンタカーを運転して頂上を目指したときの光景がよみがえります。

 

今回はガイドの運転でサンセットと星空を眺めるツァーに参加しました。気温が氷点下になるので、常夏のハワイに似合わない防寒着です。ハワイ島はハワイ全島を統一したカメハメハ大王生誕の地であり、マウナケアの頂上はハワイアンの人々の聖地とされています。そんな神話のような話に触れ、山頂から眺める夕日は神々しい光を放ちながら、ゆっくりと雲の中に沈んでゆき、その後には薄紫を背景に美しい朱色の夕焼けが西の空を染めてゆきます。それから時間の経過とともに全体が夜空の佇まいに移ろう様はまさに圧巻でした。

 

これだけでも十分に満喫していたところ、夜空の天文ショーが第二幕として控えていました。先程、天文台「スバル」について触れましたが、この近辺には世界各国の天文台が全部で13棟も建設されています。それは、空気が澄んでいて、周囲に余計な光が少ない、天体観測に適した場所だという証です。空が暗さを増してゆくにつれ、火星などの明るい星が浮かび上がり、気が付くと満点に無数の星が輝いているではありませんか。ガイドが星座の話など、天体について解説してくれるのを聞き、誰かが、思わず「プラネタリウムみたい!」と呟くと、「こっちが本物でプラネタリウムが真似てるんですよ」と優しい声が返ってきました。寒さにかじかんだ手をポケットに突っ込んで、ときどき深呼吸しながら見上げる星空も夕日に負けず感動的でした。

つづく