これぞ大家業の生きる道

 これまで回を重ねる中で、あれやこれやと大家業の特色に触れてきました。ここで、もう一度それを整理してみます。

 

 1.    大きな初期投資が必要であることから、もとから保有する資産の活用に適している。

 2.    収入は安定するが上限があって、事業を拡大するには、新たに再投資が必要である。

 3.    新規賃貸募集や賃貸中の管理など現場の仕事を容易に外注できる。

 

 弊社は、規模の利益を享受すべく、出来る限りの資金調達を試みて優良な不動産を買い集めました。しかし、これには限界があり、いずれ、弊社の財務内容や信用力を超越することとなり、事業を拡大することが困難になります。それを補うために、まずは保有している不動産からの収入を限界値まで引き上げる、つまり個々の家賃を近隣相場の上限に設定し、なおかつ稼働率を限りなく100%に近づけることを目指しています。そのためには、賃借人の立場に立ち、賃借人に寄り添う必要があります。

 

収入を限界値まで引き上げておいて次に取り組んだのは支出の削減です。そうは言っても内装や設備に支出を惜しんで、実際に住んでもらう賃借人に不便を感じさせるわけにはいきません。そこで、これまでは一部、外注に頼っていた管理業務を自社で内製化し、支払手数料を節約することにしました。これは、社内の人件費との兼ね合いもあって、一方が減れば、一方が増える関係にあります。ただし、規模が大きくなるほど内製化の効果が生きてくると考えて推し進めました。

 

しかし、それだけでは、まだ不十分なので、内製化によって得られた賃貸管理のノウハウ、人的能力を活かして、他のオーナーから管理を受託して手数料を稼ぐことを心がけてきました。手数料収入というのは初期投資が小さくて済むうえに「売上=粗利」なので、利益率が高くなり、思いのほか利益とキャッシュフローに貢献します。また、大家としてマンションを所有することは管理組合においては、当事者の一人として権利を行使することができます。弊社はマンション全体の利益を最優先していますが、マンション管理における様々な周辺業務を競合なしに無条件で受注していたビジネス環境に一石を投じることになりました。弊社が正当な利益を得ながら、既存の業者より低価格でサービスを提供できるチャンスが見いだせれば、管理組合と弊社の両方にとって利益があります。

 

 

今は、事業を急激に拡大するよりも、こうして少しずつでも利益を残し、キャッシュフローの改善を図ってゆくことで、信用力を増強していくことを大切に思っています。これこそが、次のステップへの助走であると信じて精進してまいります。